アップルシード文庫版1〜4巻(士郎正宗)

実は今年の映画化に至るまで、ちゃんと読んできていなかったこの漫画★まあ、アニメの方は観ていたので、話の概要は把握してたんですけどね…☆
攻殻機動隊」ですら、語り口が複雑すぎて映像化に向いていないと思ったものですが、ここで描かれているのは、その「攻殻」を凌ぐほど難解複雑なSF戦争絵巻。こんなの分かりやすく噛み砕いて映像化したスタッフ諸氏には、今はただ頭が下がる思いです…☆★☆★色々ヘンな感想述べて申し訳ありませんデシタ…★★★★
士郎氏ご自身が同じ事を口にし謙遜の意を表している以上、あまり言いたくはないのですが…本来、一般に受け入れられる作家さんではないと考えています★SF作家として一流である事は間違いないと思うのですが、その情報量の莫大さゆえの「読みづらさ」は、読み手を確実に限定するものです★映像化でいくらブレイクしても、なぜか各タイトルだけが一人歩きし、原版の普遍的な評価に結びついていないのは、やはりそれゆえなのでしょう…★
攻殻機動隊は、基本的に1話1話の読みきりスタイルであり、またドラマ性も比較的高い事が、映像に持っていくための「切り取り」を、比較的ながら容易にしたと思います☆
しかしこの「アップルシード」は、情報の濃度は極めて高くとも、ドラマ性は薄め★それでも2巻までは、まだドラマとしての明確さがあり、ゆえに映画へ持っていけたのでしょうが、3巻以降は、話のスケールがオリュンポス外部に広がっているため、現在発行されている4巻の時点では、まだまだ世界構築で手一杯の様子★もう決まっている映画版「2」ってどうするんでしょうか★☆★☆巨大LMを、コンバトラーV並の大きさにでも設定して、無理矢理華を持たせるのか、それとも完全オリジナルストーリーで勝負するのか★★★そんなあたりが気になってしょうがない以上、結局「2」も劇場へ足運ぶんでしょうねぇ〜☆★☆★
と、映画での比較で語ってしまいましたが、いずれにせよ全4巻、じっくりたっぷり楽しめた事は間違いありません☆完結していない事が惜しまれますが、まあ諸事情抜きにしても、このテーマだと「今描くべきこと」としてモチベーションは上がらないだろうな、と☆これからの映像展開の成否によっては、著者のモチベーションに引き金がかかる可能性もあるかもしれないけど。
ただ、いずれにしても「漫画を描かない」状況が続くのだけは、避けて欲しいものです★今こっそり描いている(もしくは構想を練っている)のならばいいんですが☆正直著者の一枚絵にはあまり魅力を感じないし、なにより「コレに力を費やす分、漫画に費やして欲しい」と思ってしまうので。