CASSHERN

ぷに子は、原作のアニメを全く観てません。その辺をさっぴいて、読んでやってください。

賛否両論、どころか、「否」の声が圧倒的に多いこの映画ですが、ぷに子的にはまあまあ良かったかな☆もっとも、元々映像面しか目当てにしてなかったというのが大きいんですが☆
確かに、ストーリーテリングが完全に破綻しきっちゃってます★誰も彼も、脈略もなくケガしたり病気したり死んだりしたと思ったら、いつのまにか元気になったりするなあって感じですし★何故どういう経緯でカグチヒナコさんが唐沢に連れ去られたのか、前将軍がミッチーを操りなにをやったのか、未だに分からずじまいです★あと、とにかく冗長って問題もあります★忍耐強い人でも最低一回は時計を覗き込むことになると思います★確かに「映画好き」の人にとって、「観るに耐えない」というのは分かります★
話のテーマそのものは決して悪くないと思うんです☆あらゆる思惑を「正義」と定義しぶつけ合わせ、そこに戦争の本質、人類の理想を表現したいっていう発想だと思うので☆しかし、軍隊が民衆を虐殺するシーンを強調しすぎるなどメリハリの付けかたが下手で、結局主人公や権力側(特に前将軍)の正義の中身が薄いものとなってしまい、結果、「えらいひとだっていっぱんしみんだって、すきでたたかっているんじゃないんでしょ?だからみんな、なかよくしようよ。みどりをおもいだそうよ」風平凡な反戦映画になってしまいました★話の構成力さえあれば、絶対にもっと良いものになったと思うので…残念ですね★
しかし、それを補って余るくらいに、CGで描かれた映像美が圧倒的です☆映画のプロではなくとも、さすがは映像のプロ☆鉄とスモッグと汚水に覆われた荒廃の情景を、敵方の要塞の奥深くで眠るカグチヒナコさんのスピリチュアルな情景を、実写とミックスしても違和感がない水準で表現しきっています☆まあ、あの変なロボット軍団だけはカンベンして欲しかったんですが★
なにより、"APPLESEED"もそうなんですが、CGの力を借りてハリウッド的な映像を高いレベルで生み出せるようになった。それだけでも、十分に意義のある作品だと思うのですよ☆出演陣も皆なかなかの好演☆正直唐沢がここまでハマってくれると思いませんでしたから☆そういう面でも、映像の違和感と表情の平坦さを残してしまった"APPLESEED"より、「一つの映画」として、印象は遥かに良いです☆