アップルシード

というわけで、早速観てきましたよっ!アニメ的ではあってもアニメではないと思うので、あえて「映画」というカテゴリにしました。まあとりあえず、人入っていなかったデスね…★まあ、所によるんでしょうけど、でもイノセンスはぷに子が観たときが満員御礼でしたから…。

で、感想なんですが、最初から技術面を楽しむ気で行けば、期待以上の仕上がりだと思います☆「FF」をはじめとした今までのフル3D映画の「人形劇」的違和感は、トゥーンシェーダーとモーションキャプチャを多用した事により、とりあえず95パーセントは解消されているんではないかと☆音楽面も非常に効果的で、早くもサントラがほしくなってしまいました☆

しかし、あくまで「95パーセント」の解消です★残り5パーセントで、現時点での技術で越えられない壁が立ちはだかっており、これが実に興ざめへと導き、視点を映像世界から引き剥がす要因を作ってしまってるのです…★

デュナンが布で銃を磨く場面。ベッドに倒れこむ場面。冒頭のこの2箇所で「ああ、やっぱりダメか…」と正直落胆してしまいました★これだけは、モーションキャプチャーでもどうにもならないんですね…★少し前、「イノセンス」の押井監督が月刊アスキーにて「アニメでならなければいけない理由」と「手の描写」を絡めて語っていましたが、この作品の弱点を象徴している言葉でもあります★氏はもう事前にこの映画見てたんでしょうね★今思えば…。

「映画としても、アニメとしても、違和感のある作品」一言で言い表すなら、こんな感じでしょうか★ぷに子もこれまで色々な映画やアニメを映画館で観てきましたが、たとえどんな駄作でも、映画館から出た時には、仮想世界から現実世界に戻った時の、なんともいえない心地よい余韻がありました。そういったものを、この作品では初めて感じなかったのです★それはなぜか、ここまで言えばもう理由は明らかでしょう★

現段階ではまだ、フル3Dアニメは、映画にも、元来のアニメにも、拮抗出来る表現手段ではない。そう痛感させられました。布が波打つ様子すら、手先の微妙な表情すら、満足に表現出来るレベルではないのです。そしてそれは、これからもきっと不可能のような気がします。可能になってしまったら、アニメ職人や俳優のアイデンティティを根底から覆すことになりますが、彼らの仕事はそれを易々と許すほどあまっちょろいものではないはず…★もし例え可能だとしても、2,30年の年月を必要とする気がします★

第一、モーションキャプチャーでわざわざ動きを採取して、それを全部が全部CGで動かす事に何の意義があるのか★実際の俳優の演技+CGの方が、よっぽど良いものが作れるのではないか★予告編の「キャシャーン」の映像を見るにつれて、そんな気持ちが募ってくるのです★フル3D映像に拘る作家さんは、今後この辺でアイデンティティの葛藤と戦うことになるでしょう★

但し…このアップルシードの制作で培われたものが、その「キャシャーン」とかで生かされているのだとしたら、当然こんな意義のある作品はない、という事になります☆国土がせまく、自由も効かない日本において、ハリウッドに挑めるだけの映像を作るための一つの礎…そういう方向では、後世に生きて欲しい作品かな☆そう願ってます☆

ああ、どうにもまとまらないわ☆また後で書くかもね☆